このページでは、日本拳法との思い出話の数々をご紹介いたします。
また、宗家との思い出や日本拳法に臨むご自分の姿勢など、皆様のお便りも募集しています。



日本拳法の大いなる可能性
「搏撃の形」に関する考察と提案
日本拳法会指導部次長  明田真次

目 次
第1章  日本拳法「搏撃の形」に関する撃力の分析
第2章  日本拳法「搏撃の形」に関する撃力の分析のまとめ
第3章  日本拳法「搏撃の形」の応用変化について
第4章    試論・「搏撃の形」、総合技化する論拠
第5章    試論・「搏撃の形」、総合技化
第6章   「搏撃の形」・動きの系統化
第7章   「搏撃の形」・単独形、その方法
第8章   「搏撃の形」・10則
第9章   「搏撃の形」(32形)・人体急所論
第10章  自律整体心法と「搏撃の形」



第1章 日本拳法「搏撃の形」に関する撃力の分析

  1.後から前に踏み込む丹田を中心とした脚力の推進力
   
(その重心移動により中指の拳頭に体重を乗せる。)
  2.母指球を力の起点とする腰を中心とした体軸の回転力
    
※筋肉と関節の連動・・・1、母指球 2、足首 3、膝 4、腰 5、肩 6、肘 7、手首 
     8、拳 頭へ
    ※1の推進力(推進運動・肚・ハラ)と2の回転力(回転運動・軸・ジク)を乗じた積が、撃力の
     パワー(瞬発力)ともなる。
  3、「受即攻」のスピードとタイミングから生じる迎撃力(カウンター)
    ※迎撃力は、相手の踏み込むパワー(速さ×力)と正比例してその瞬間の衝撃力は大きくなり、
     場合によっては倍以上にもなり得ることがある。100kgの打突であれば200kgにも
     なり得るということである
  4、当所である中指の拳頭を中心として「人体急所」を確実に攻める急所打撃力
  
5、日本拳法独特の「波動拳」と名付けられる波形にうねる手首のスナップ力
  
6、詰めた息を呼気で掛声にし、意志と行動が統一強化され、爆発的な力を出す気合力
    「推進力」「回転力」「迎撃力」「急所打撃力」「スナップ力」「気合力」
                    

                   一 撃 必 殺
以上六つの力を、打突におけるインパクトの瞬間に発揮出来る様、「搏撃の形・修練」の最終的な目標
とすべきではなかろうか。

第2章 日本拳法「「搏撃の形」に関する撃力の分析のまとめ
西洋の格闘技は、ボクシングに観られる様に、競技において特にそうであるが、ラウンド制の持久戦で、肉と肉のぶつかり合いであり、「潰し合い」の様相を呈する。
東洋の格闘技である日本武道は、西洋のそれとは根本において対比的である様に思われる。格闘技ひとつを取って観ても、牧畜民族で肉食文化の「西洋」と、農耕民族で菜食文化の「東洋」との対比は、文化人類学的な意味において存在する様である。
日本武道の競技においては、「一撃必殺」の具現である竹を割った様な瞬間の「一本!」という形で勝敗を分ける。そういった勝負のあり様は、「潰し合い」ではなく「活かし合い」の武道理念を生んでいく。試合相手は、お互いに自分を伸ばして呉れる「人」であり、敬意を以って対峙し、必ず始めと終りに「心」を込めて「礼」を交わす。
日本武道である日本拳法もやはり「活人拳」という武道理念を実現してゆくものでなければならない。そういった日本拳法の根源的存在意義を抑えつつ、日本拳法の「一撃必殺」を論じてゆきたい。いずれにせよ日本武道の、日本拳法の「一本」は、「一撃必殺」という武道概念と重なり合う。よく「三拍子揃えば・・・。」と言われるが、この「打突の六拍子」が揃えば・・・。
この六つの力(1、推進力 2、回転力 3、迎撃力 4、急所打撃力 5、スナップ力 6、気合力)が、打撃の瞬時に合わされば爆発的な力が発揮され、真剣場面における「一撃必殺」が具現されるだろう。武術としての日本拳法は、飽く迄、「技」としての「一撃必殺」を追求し、その技の追求の課程で同時に「心」と「体」の追求がある。
この「心・技・体」の修練を通して、生涯武道としての日本拳法の求道がある。その極限の武道目標は、「道は自然に合する」(日本拳法八要)境地に達する事である。
こういった日本拳法の在り様は、「道」を求むる眞の武道者・武道士を輩出してゆくだろう・・・。

第3章  日本拳法「搏撃の形」の応用変化について
この形は、搏技の攻防基準形勢となるものを形したものである。実用に当たっては、この形を準縄に、いろいろな状況に即合するように応用変化すべきものである。(宗家、著「日本拳法」第17章・搏撃の形)1、皆さん、最初にお聞きします。
1)防具を着装して「搏撃の形」を稽古していますか?
2)空乱でも搏撃の形を使っていますか?
3)搏撃の形の技で「一本」を取っていますか?
4)搏撃の形を自分の周りの女性や中高年の人達に、健康法や護身術として伝え教えてあげて
いますか?
2、もし、そんな風にしていなければ、
1)「搏撃の形」を、防具を着装して、段階的に試して下さい。
2)搏撃の形を、仕掛に「引き」を入れる等して実戦のスピードで、空乱的な一本稽古として、これ又
段階的に試みてください。(初めの内は軽く行う事!)
3)搏撃の形32形のうち何形かを得意技として、「乱」で一本取れる様に高めて行って下さい。
4)搏撃の形を、一般の人々にも伝えて行く事によって、より多くの人生仲間が出来、日本拳法を
通じてより豊かな人生をお互いに築きあげてゆく事に成るでしょう。
5)搏撃の形を、自己自身が段階的に高め、本当に強くなっていく事によって、健康法・教育の手段・
武道として他者に伝承してゆく事が出来る。日本拳法指導者として、日本拳法を通じて様々な問題
を抱えたこの現実の人間社会に対して普及・発展させてゆこうではありませんか!
3、段階的方法とは
1)最初のうちは、大きく、軽く、ゆっくり、柔らかく動作しながら正確な動きを覚えてゆく。
(例、鏡の前での単独動作・・・健康体操や求心的な独り稽古として)
2)次に、段々動作に速さを増して行き、更に強さを加えてゆく。この段階では特に体軸の回転及び
重心移動を意識化して行う。この段階では、形を形として受け、攻め・決め・残身等を明確に表現
する正しい形が行える事を含む。
(例、主に対人動作として行い、間合・気合・理合を掴んでゆく。)
3)最終的には、一挙動作として、乱や空乱で自由に「使える技」として完成させて行く。
(最初は突きだけとか、次に横打を含んで行う等、限定条件を徐々に外して稽古してゆく。)
4、搏撃の形の優秀性・・・中国拳法や空手の形と比較して
1)武術としての合理性・機能性・真実性・自然性が極めて高い。
2)見た目の華麗さはないが、実法としの自然な動きの為、素朴で味わいの深い自然な動作美が生み
出される。(「形」を実戦にそのまま使うことができる。)
3)不自然な形で膝に負担を掛け続ける事はなく、膝を痛める事がない。
4)搏撃の形は、「受」で発条を巻く様な形で溜めをつくって、攻めでその発条を解除・解放する
様に、殆どの形が腰の回転を中心とした体軸の回転運動である。その為、精神的なストレスの
解消効果やストレッチ的な健康効果は高い。
5)搏撃の形は、未来永劫、普遍的な「基本」で構成されている「形」である為、自信と誇りを持って
武道の心を求めてゆく事が出来る。
5、以上のまとめ・・・「搏撃の形」の応用変化(術としての変化だけでなく)
「搏撃の形」を短呑長吐の腹式呼吸でストレッチ的に伸びるところまで伸ばし(体全体、特に体軸を最大限まで回転させて)、正確な動きとかたちを追求してゆけば、「健康体操」としても、或いは、「健康法」としても効用がある様に思われる。
それは、太極拳や気功の様な動作美を生み出すだろう。日本拳法の場合は、極度に合理化・機能化された実戦の技の連続の為、それらを超える機能美・動作美を造ってゆく。そして、その段階的な修練は、
「武術」・「護身術」としての機能を高めてゆくと思われる。
日本拳法をそういう多様な次元で捉え、その社会的効用を追及してゆき、文字どうり「生涯武道」としての実質を形成し具現してゆく事は、今後の大きな課題の様に思われる。
多様な次元とは、「1、健康レベル 2、体育レベル 3、競技スポーツレベル 4、武術レベル」、そしてそれらを全て包摂してゆく「武道レベル」である。
多様な次元とは、多様な目的でもあり、多様な効用でもあり、さらなる「大衆化への道」である。
その事は、「技の高度化」とは矛盾しない。

第4章 試論・搏撃の形、総合技化する論拠
宗家御自身も「教書」で2-1形の虚車や2-6形の脇取逆などを創案されているわけで、後に続く我々がそれを更に発展させてゆく、と云う事である。
現在、頓にプロの格闘技が「総合格闘技化」してきている実勢がある。これは、「最強」を、そして格闘技の真実場面を追求して来た結果的な現象である。そして、「格技の真実性」を総合技化して追求して来たのは、将に我々の宗家であり、日本拳法なのである。
日本拳法は、打・突・蹴を中心とした「総合格闘技」である。これだけ実戦性と安全性の調和の取れた格闘技は世界に類をみないし、総合格闘技の元祖的存在である。
「武道」として人を育て得る素晴らしいものでもある。
その総合格闘技の元祖とも云うべき日本拳法らしさを日本拳法の中核を成すという「搏撃の形」の上でも実現してゆき、「技」の大衆化と高度化を図って行ってはどうだろう。
具体的には、搏撃の形に投技や逆技、「決め」を幾つか創入してゆく事によって、総合技化した日本拳法の「応用形」が現出されてゆく。その事に因って、搏撃の形講習生も形に興味を覚え、形修練のモティベーションも上がってゆく。
何より、搏撃の形の技の数々が、実際の「乱や試合」での技と繋がってゆき、拳士の個性を生かした多彩な技が展開されてゆく。
そして又、防具を装着していない場合の護身術・武術としての日本拳法の側面も発展的に展開されてゆく。「武術、武道日本拳法」としての幅と深みがさらに顕現して行き、武術研究家・歴史作家・加来耕三氏をして云わしめた「現代の五輪書・日本拳法」(澤山宗海著)具現の発展的一環として作用してゆくだろう。
「演武」としてのアッピール度も違って来るだろう。そうした一連のメリットは日本拳法会入門者の増大にも寄与してゆく・・・。
日本拳法会指導部や研究部及び技術部の役割は、そういった日本拳法発展の為の「企画集団」としてもあるだろう。
※お断わり
1、これまで述べてきた見解は、徒に宗家の創始された「形」を変更してゆく様な事では決してなく、日本拳法の形の伝統は、未来永劫に残るものとして確信しています。
搏撃の形は「搏撃の形」として日本拳法の中核を占める存在であり、本論文はその応用変化版であり、ある意味で、搏撃の形の延長線上に付加価値的に技を添えたにすぎないかも知れない。ただ、日本拳法に「総合技化した形」として新しい考え方と概念は提供し得たのではと自負している。こうした試みを日本拳法会の指導者が率直に持ち合う事で更なる日本拳法の発展を期する事になるのではないだろうか。
2、投技や逆技・決めは、「捕撃の形」に在りますが、殆どが順足から始まっており、搏撃の形と比較した場合、動きの流れに不自然さが伴う様に思われる。勿論、「捕撃の形」の存在意義を高く評価こそすれ、否定する様なものではありません。

第5章 試論・搏撃の形・総合技化
第1、突きに関する6形
△    1、側身横受・(三日月)突→首環・決突
△    2、側身横受・前稲妻突→屏風倒・決突
3、下受・(牙顎)突
4、退身下受・(下昆)縦拳突
○    5、潜身水月突(左拳)→肩車・脇陰決突
6、沈身水月突(右拳)
第2、横打に関する6形
◎    1、上受掛・開身(独古)横打→虚車・踏蹴(十字固)
○    2、上受(牙顎)突→大外刈・決踏蹴
3、下受・(三日月)横打
4、退身下受・鳥兎外打
5、潜身水月横打
◎    6、反身横受掛・開身(独古)横打→決脇取逆
第3、雑打に関する6形
1、側身横受・霞外打  
○    2、側身上受掛・(独古)横打→肘取逆・決屈折逆  
3、反身鳥兎斜打
◎    4、上受・(牙顎)楊打→一本背負投・脇陰決突
5、反身下受・(牙顎)揚打
6、反身下受・鳥兎斜打  
第4、蹴技に関する6形
1、側身下受・明星突蹴
2、退身下受・(下昆)縦拳突  
○    3、掬受掛・釣鐘揚蹴→掬投(扇返)・釣鐘決揚蹴  
○    4、退身掬受流・前稲妻横打→太刀落・決突  
△    5、側身横受・水月膝蹴→引技(牛倒)・決膝蹴  
6、反身(明星)突蹴   
第5、片手技に関する8形  
1、横受押・(下昆)突  
2、開身横受流・(独古)横打  
△  3、上受・前稲妻横打→腰投・鳥兎決外打  
4、上受掛・(下昆)突     
△  5、掌拳下受・(下昆)突→体落・人中決突    
6、側身下受・鳥兎外打             
○  7、退身掬受掛棄・前稲妻横打→入身投・松風刀拳決打
8、開身掬受流・鳥兎外打     
※投技・逆技・決技・・・・未だ、何れも流動的でさらなる研究が今後必要です。
(技の名称も同様です。)しかしながら、臆せず提起致します。

第6章 搏撃の形・動きの系統化
1、大きく(フォームづくり)    
2、柔らか(短呑長吐の腹式呼吸法で行う)   
3、力強く(重心移動を強調して行う方法)
4、速やか(体の伸縮を中心にスピードを)   
5、軽妙に体全体で(軸と丹田を意識化)    
6、「決め」をとる(諸力の統合・・気合い)  
7、拳筋を正し(波動拳を含めた手の内)  
8、律動的に(リズムとパワー・・力の強弱)   
9、変化し(タイミング良く・・技に緩急)
10、残身をとる(残心)    
※日本拳法・搏撃の形は、この10項目を稽古法の基本として修練すべきであると考えます。
最初の内は、ゆっくり・軽く・大きく技を行い、段々とその大きな動きに強さや速さを加えてゆく。
最終的な稽古法としては、体全体で軽妙に決めと残身をとるフルパワーで行う。単独及び対人稽古でも
同様である・・・・大・強・速・軽。

第7章 搏撃の形・単独形、その方法
★   例 「搏撃の形・第1、突きに関する6形」をひとまとまりの形として行う 等     
1、礼    先ず礼を行い、終りにも行う(三法の礼・・・座礼・立礼・蹲踞の礼)
2、構え   呼吸を整え、垂肩閉脇で中心を外さず、膝や肘にタメを持たせて戦闘準備態勢を
(中段の構え)  
3、仮想敵  実際に敵に襲われ、これを防ぎ、反撃する気持ちを持つ   
4、気合   攻めと勢いのある気迫と力を合致させ、自らの気持ちを引き締める    
5、残心   最後迄「隙」が出来ない様にする心と身の構えを造る  
6、大強速軽 先ず、呼吸法で出来るだけ伸び伸びと大きく行い、次に力強く、そしてより速く、
最後にそれらを全て併せて全体として軽妙になる様な順序で行う  
7、力の強弱 必要な瞬間だけ力を集中する(パワー)  
8、体の伸縮 技に最も適した体勢を自在につくる(スピード)  
9、技の緩急 ゆっくりすべき所は、ゆっくりする(タイミング)  
10、体得   何回も繰り返して、自らの体に覚え込ませる

第8章 搏撃の形・10則・・・・礼法(大前提)
1、先の気  絶対に「先(せん)」を取るという気と構え    
2、合気   相方と間合・呼吸・気を合わせる   
3、目付   相手の目を中心に視、全体を視る
4、摺足   爪先に緊張感と和紙1枚足裏に挟んだ感じの歩法  
5、当所   中指の拳頭を中心に急所を点撃
6、残心   最後まで油断しない構え(残身)  
7、間合   自分に有利な体と心の距離  
8、気合   自らの極限の力を具現する為に  
9、理合   総合化された武術の真理  
10、応用   実際の勝負での変化   

第9章 搏撃の形(32形)・人体急所論
「形」の指導に於いては、攻撃部位を「顎」とか「胴」とかでなく、「下昆・三日月・水月・明星・・・」等の人体急所名で統一してゆき、武術・武道の形としては、急所攻撃をもっと明確にし、徹底してゆくべきだと思われます。
第1、突に関する6形  
1、側身横受・(三日月)突  
2、側身横受・前稲妻 突
3、下受・(牙顎)突
4、退身下受・寄身(下昆)縦拳突
5、沈身・水月 突(前拳)
6、沈身・水月 突(後拳)
第2、横打に関する6形
1、上受掛・開身・(独古)横打
2、上受・(牙顎)突
3、下受・(三日月)横打
4、退身下受・寄身 鳥兎 外打
5、潜身 水月 横打
6、反身横受掛・開身 (独古) 横打
第3、雑打に関する6形  
1、側身横受・ 外打 
2、側身上受掛・独古 横打
3、反身・鳥兎 斜打
4、上受・(牙顎) 揚打
5、反身下受・(牙顎) 揚打
6、反身下受・鳥兎 斜打
第4、蹴技に関する6形 
1、側身下受・明星 突蹴
2、退身下受・寄身(下昆) 縦拳突
3、掬受掛・釣鐘 揚蹴
4、退身掬受流・踏込 前稲妻 横打
5、側身横受・水月 膝蹴 
6、反身・(明星) 突蹴
第5、片手技8形(横受・上受・下受・掬受)
1、横受押・(下昆) 突    
2、開身横受流・(独古) 横打
3、上受搏・前稲妻 横打
4、上受掛・(下昆) 突
5、掌拳下受・(下昆) 突
6、側身下受・鳥兎 外打
7、退身掬受掛棄・入身 前稲妻 横打
8、開身掬受流・鳥兎 外打
※今後更に、武術としての、或いは日本武道としての普遍的な人体急所名明確化及び確立への研究課題を
負います。

生涯武道実践の為に
第10章 自律整体心法と搏撃の形
-リラクセーション & コンセントレーション-

その構成要素
1、ストレッチ的要素(?仰臥位・?伏臥位・?座位・?立位姿勢)
2、カイロプラクティク的要素(脊椎矯正法・骨盤矯正法)
3、アイソメトリックス的要素(静止力学筋力トレーニング法)
4、武道動作的要素(礼法・居合・空手・拳法・相撲動作 等)
5、気功的要素(調身・調息・調心・・・丹田複式呼吸法)
6、禅的要素(座禅・合掌動作での精神統一法)
7、理学療法的要素(腰痛体操・経路脈絡法の壺刺激 等)
8、自然動作的要素(自然体・自然な流れの連絡動作)
9、自律訓練的要素(リラクセーション・精神集中・瞑想)
10、日本拳法搏撃の形(撃取の形を中心に「呼吸法」から大・強・速・軽の鍛錬系統で行う)

その方法的特長
1、コンセントレーション(集中)とリラクセーション(弛緩)との対比的動作の繰り返しの中
で真のリラクセーションを造ってゆく。
2、求心的動作(筋収縮・アイソメトリックス&ストレッチ)と遠心的動作
(筋弛緩リラクセーション)の対比動作の繰り返しの中で伸筋を中心とした筋力アップと更なる
柔軟な体づくりを行う。
3、脊柱の前屈と後屈の対比動作の相乗作用の中で、人体の中心的で最も大きな骨格の柔軟性をより
高め、脊柱起立筋の強化も図ってゆく。その過程は、内臓の強化にも関連して来る。
4、求心動作と遠心動作を中心とした「連絡動作」で各動作を繋いで全体を出来る限り自然な流れと
配列(シークエンス)に成る様にした。
5、殆どの筋肉群と関節に及ぶ範囲(スコープ)の運動・動作を網羅した。
6、オリジナルなストレッチ&アイソメトリックスも考案して行った。
7、殆どの動作に短呑長吐の「丹田腹式呼吸法」を合わせ、精神的リラクセーション効果
(副交感神経を刺激)を狙って行った。
8、以上の動作、特に求心と遠心動作の繰り返しの中から武道の最も大切な丹田(ハラ)づくりと
軸(ジク)づくりを目指して構成して行った。
9、本法は、樹々緑の深い静かな自然環境の中で行えば効果は絶大である。
10、この自律整体心法の方法的基礎には、西洋合理主義の様々な理論(運動生理学等)と東洋の
自然主義的な経験(東洋医学等)の弁証法的な統合がある。
その効用と目的
1、健康増進(体の歪、縮、硬張の疲労回復・ストレス解消・老化防止)
2、体力づくり(特に、柔軟性、伸筋力、運動障害予防、準備、整理体操)
3、生涯武道の実現化(肚づくり、軸づくり、「形」づくり)